農学部にもかかわらず、と言うのが適しているのかどうかわかんないけど、最近構内で草刈がおこなわれている。樹木が伐採されている。許可なしに(私の)。 クマバチなど多くの昆虫が訪花していた植物や草本、―クマバチが大きいので目立つだけ。ほかアブや小さいハチやチョウチョ(チョウチョもでかいな。種がわからん)、アリが幹を必死に歩き回っていた樹が、夏休みの名の下に、業者の手によってばっさばっさと片付けられている。 女学院も、夏休みになれば、旧き良き建物の修復と同時に、あれやこれやと自然に人間の手が加えられていたり、あるいは消されていたりしていたが、去年の夏は香大でここまで変革がおきているようには思えなかった。確かに、トラップを掛けている周辺の草が突然刈られていた、ということは数度あったが、今年は規模が大きいような気がする。
何故だろう。 女学院の話に戻るが、私が4回生だった春、桜にケムシが少ないなと思ったら、桜の樹の下の土に殺虫剤(?)を埋めて、桜の葉を食べたケムシを全滅させたとか。つまりその殺虫剤を吸い上げた桜が毒素を含んだ葉を茂らせた。大学内の自然同好会が桜の花か葉を使った茶をバザーに出す予定だったのだがそれを急遽キャンセルしたと聞く。「今年は女子大生の悲鳴を聞く事もないし、ケムシの処理をしなくて済むので楽だ」とは清掃員の弁。助かった人のほうが多かったのも事実だろう。しかし、それでよいのだろうか。 また、今年は今年で、森を切り拓いて新しい施設を作るだとかで、E研の院生が抗議しているとメールで聞いた(その森とは研究対象のクモの住処になっているらしい。森ってことはきっとハチの営巣資源もころがっているはず)。 里山というものは、人間が手入れをすることで、保たれてきた生態系が存在する。放置すると、植物の遷移が進み、湿地などは干上がってしまう。ほかにも例えば、田んぼに住む昆虫などは、人間が稲作をしないと住む場所がなくなってしまう(例:タガメ)。でも今香大がおこなっている管理は、行き過ぎのような、ただ見栄えをよくするためだけのような。誰に対しての見栄えなのか。 憤りを覚えるほど、実害は被っていない。私は。先日ハキリバチが営巣していたから、とトラップを外した樹が今日根元で切られていてびっくりした程度だけれど。幼虫の餌となるガの幼虫がどこに生息し、オオフタオビドロバチはその餌をどのくらいの距離までなら巣に持っていくのか、私はよく知らない。営巣資源(この場合竹筒)だけあれば、餌はほかから調達してこれるのか。※ちなみにオオフタオビドロバチはカリバチの中では比較的大きい種で、顎も発達しているため、長距離餌を運べるとも言われている※ 何が言いたい、というわけではない。女学院の方が、そのような(無駄な)手入れは多かった。だけど、自然環境担当がE先生とN先生だけだった分、何かと言うと情報が入ってきた。香大の場合、無視されてない? 私は、正直なところ、里山の環境学とかにも疎い。学部時代授業は履って、単位ももらっているけれど、私が大学で得た学術的知識は、ちょっと環境問題に関心がある人より低い。寝てたし。ただ、難しい事を抜きにして(寝ていない合間に聞き齧ったところによると、そんなに難しくなかったのだが)私は今肌で、何かいや〜な感じがしている。うーん、うーん、草は確かに鬱陶しいし、これからオープンキャンパスなどで高校生が目にする場所でもあるし、暑苦しいし、草が伸び放題なのは、そっちこそ生態学の面でマイナスのほうが大きい可能性だってある。私が知らないだけで。
きっと香大は農薬を撒いたりはしてないだろうし。私だって虫除けスプレィをふんだんに使って、調査をしているわけだし、自然と仲良しなわけではない。いつだって抵抗して今がある。 うーん、うーーん。とりあえず。私の研究結果には影響を与えないでちょうだい、という程度の心配なのか。