1次性比は各世代が始まるときの性比。理想は、受精卵の時点の性比である(孵化する前に死んでしまうものも含めたい)。
しかし、一般的には、卵が孵化した時点や、子が産み出された時点での性比の意味にも使われる。
(研究者によっては、受精時の性比を1次性比、孵化時の性比を2次性比と見なしている人もいるようだ。恐れ入ります)
2次性比は、雌雄が性成熟した時の性比で(だいたい合ってましたね)、実効性比とも呼ばれるらしい。
ただし、その後の死亡率が高い性のほうが多くなる、というのは若干間違えていて、
例)1匹の親の子どもで、卵の時点ではオスもメスも10匹だったが、成虫にまで成長できたのはオス1匹、メス10匹とする。メスが卵を産めるのは1回限り、そして産卵数は20個とすると、
オスは各メスと1回ずつ交尾できるので、自分の子どもは10(匹)×10(卵)= 100匹
メスが交尾できる相手は1匹しかいないので、自分の子どもは10匹。
それが10匹いるから、10(匹)×10(匹)= 100匹
ここで、子どもの側で見ると、オスが有利になる(オス1個体にあたり、メス1個体の10倍の繁殖成功が見込まれる)のだが、性比というのは、その親から見て、なのである。いかに子孫を残し続けうるか。
だから最初に出てきた親からすれば、息子の繁殖成功も100、娘(たち)の繁殖成功も100で、万事オッケー。
では、なぜヒトでは、胎内でのオスの死亡率はメスより高く、妊娠される数はメスより多いのか(ヒト以外の哺乳類の多くがその傾向にあるんだって)。
これは、親による子への投資期間が終了していない―期間中―にどちらかの性の死亡率に偏りがあるケースと見なされる。すると、オス1個体とメス1個体の相対的なコストが変わり、投資が始まる時点では早く死ぬほうの性が多く作られるだろうと予想される―んだそうだ。わかったような、納得しにくいような?
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